米津玄師が逆オファー|原作愛から生まれた主題歌
「BOW AND ARROW」誕生の経緯
アニメ「メダリスト」のオープニング主題歌「BOW AND ARROW」(ボウ・アンド・アロー)は、米津玄師が自ら打診して実現した楽曲です。米津は原作漫画の大ファンで、「次にくるマンガ大賞」にランクインしたタイトルを見て、面白そうだと思った作品をいくつか買っていました。
「手に取ってみたら一際面白くて、『これはすごいマンガだ』と思いました」と米津は語っています。「1ページ目からすごく絵に力があって。キャラクターの感情が、表情や身体表現にエモーショナルに表れているので、読み進めていくごとに、胸に熱いものがたぎっていく」という強い感銘を受けたのです。
そして「アニメ化するという情報を見かけ、できることなら曲を作らせて頂けないだろうか、と打診した」と、通常とは逆のオファー形式で主題歌制作が決定しました。米津は「とにかく素晴らしい漫画なので全人類読んでください」とコメントするほどの熱い思い入れを持っていました。
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「BOW AND ARROW」に込められた意味
曲名の「BOW AND ARROW」(弓矢)は、主人公いのりとコーチ司との関係の比喩表現です。弓(司)が矢(いのり)を放つという秀逸な例えは、作品の世界観を見事に表現していると話題を集めました。
米津玄師とつるまいかだの対談がアニメ公式サイトで公開されており、楽曲の制作秘話や作品への想いが詳しく語られています。対談では、楽曲制作にあたって作品から着想を得たこと、曲名の由来、いのりを描いたジャケットイラストの制作過程などが明らかになっています。
米津はジャケットイラストも自ら手掛けており、音楽家としてだけでなくイラストレーターとしても活動する米津ならではの、トータルな作品作りが実現しました。
羽生結弦出演MV|世界的スケーターとのコラボ
衝撃のミュージックビデオ公開
「BOW AND ARROW」のミュージックビデオには、プロフィギュアスケーターの羽生結弦が出演し、大きな話題を呼びました。羽生結弦は2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪で金メダルを獲得した世界的なスケーターです。
MVでは羽生結弦が実際にスケートを披露しており、「BOW AND ARROW」の楽曲に合わせた演技が収められています。フィギュアスケートを題材にした作品の主題歌に、現役時代に世界トップだったスケーターが出演するという、まさに夢のコラボレーションが実現したのです。
スペシャルMVとノンクレジットOP
MVは複数のバージョンが公開されており、「羽生結弦 Short Program ver. MV」のほか、漫画「メダリスト」×米津玄師「BOW AND ARROW」のスペシャルMVも公開されています。
また、TVアニメのノンクレジットオープニング映像も公開されており、アニメーションと楽曲の一体感を純粋に楽しめる映像として人気を集めています。
鈴木明子|プロスケーターによる振り付け
オリンピック選手がアニメに参加
アニメ「メダリスト」のフィギュアスケート振付を担当しているのは、プロフィギュアスケーターの鈴木明子です。鈴木明子は2010年バンクーバー五輪、2014年ソチ五輪に出場し、2012年の世界選手権で銅メダルを獲得した実績を持つ選手です。
鈴木明子は原作漫画の段階から取材協力として関わっており、「もともと原作でもいろいろ取材を受けて関わっていて、そこからなので」とアニメへの参加経緯を語っています。「ぜひやりたいという気持ちと、私でいいんでしょうかという不安もありました」と振り返りますが、「人気の漫画がアニメ化されることで、期待している方たちがたくさんいるだろうと思うと、その期待に応えるというか、その上をいく作品作りをしたい」という強い思いで取り組みました。
モーションキャプチャーでの挑戦
アニメの振り付けは、モーションキャプチャー技術を使用して収録されました。収録は名古屋の邦和みなとスポーツ&カルチャー(邦和みなとリンク)で行われ、鈴木明子自身がモーションキャプチャーの装置を着用して演技しました。
「アニメのことをやるのは初めての経験だったので、特に初回にモーションキャプチャーを撮った時には、自分の動きがどんなふうにアニメになっていくのかというのを見て、『もっと大きく表現した方が伝わるかな』とかそういうことを随時いろいろと自分の中でブラッシュアップしながら取り組んでいきました」と語っています。
漫画の決めポーズを振り付けに
鈴木明子は「私が自由に振りを作っていいわけではなく、漫画の中で出てくる決めポーズとかを振り付けの中に入れながら」振り付けを制作したと語っています。
「決めポーズも漫画の中で決まっているので、そこに至るように作って、最後そのポーズにするとか。いのりちゃんの『木星』のプログラムも、司先生が踊るというふうになると、そこもいろんなところに入ってくるので、そこは確実に入れて、右手だ左手だというのをチェックしながら振り付けをしていく」という、一般的な振り付けとは違う形での作業となりました。
漫画で描かれていないところまで動きを考える必要があり、原作への深い理解と、プロスケーターとしての技術の両方が求められる仕事だったのです。
鈴木明子×米津玄師のスペシャルショー
東京スカイツリータウンコラボイベント
2025年2月16日、東京スカイツリータウンでのコラボイベントにおいて、鈴木明子が米津玄師「BOW AND ARROW」の楽曲に合わせた鈴木明子オリジナル振付によるスペシャルショーを披露しました。
このイベントには、主役を演じる春瀬なつみ、大塚剛央も登壇し、作品の話とともに、ここでしか見られない特別なパフォーマンスが披露されました。イベントの模様は後日映像として公開され、大きな話題となっています。
「BOW AND ARROW」との相性
鈴木明子は米津玄師の楽曲について、「米津玄師さんの曲とリンクする部分が…」とインタビューで語っており、楽曲と作品の親和性の高さを実感していることが伺えます。
プロスケーターとしての長年の経験と、原作への深い理解、そして米津玄師の楽曲への共感が組み合わさって、唯一無二のパフォーマンスが生まれたのです。
世界フィギュアスケート国別対抗戦2025とのコラボ
リアルな大会での公式コラボ
2025年4月17日から20日に東京体育館で開催された「世界フィギュアスケート国別対抗戦2025」において、「メダリスト」とのコラボレーションが実現しました。
オープニングセレモニーでは、結束いのり役の春瀬なつみが場内アナウンスを担当。来場者限定特典として「金メダル風カード」が配布されるなど、フィギュアスケートアニメとリアルな国際大会とのコラボレーションが大きな話題を集めました。
フィギュアスケート界からの注目
このコラボレーションは、「メダリスト」という作品がフィギュアスケート界からも認められ、支持されていることを示す出来事です。実際のトップアスリートたちが競う国際大会で、アニメ作品がフィーチャーされることは異例であり、作品の影響力の大きさを物語っています。
豪華クリエイター陣が集結した理由
米津玄師、鈴木明子、羽生結弦という、それぞれの分野でトップクラスのクリエイター・アスリートたちが「メダリスト」に集結した理由。それは、原作漫画の持つ圧倒的な魅力と、フィギュアスケートという題材の持つ普遍的な美しさにあります。
米津玄師は「とにかく素晴らしい漫画なので全人類読んでください」と語り、鈴木明子は「その期待に応えるというか、その上をいく作品作りをしたい」と語っています。それぞれのプロフェッショナルが、作品への敬意と情熱を持って参加することで、アニメ「メダリスト」は唯一無二の作品へと昇華されたのです。

