映画「ある男」の最後の結末の意味がわからなかった人へ解説します。最後の妻夫木聡さんはバーで偽名を使った?続編があるような終わり方で、一度見ただけでは主人公の気持ちや言いたいことがわかりにくい映画でした。原作の小説を読んだので、城戸の細かい気持ちがわかりました。
ある男を公開初日に観ました!
そこで、映画「ある男」の結末についてネタバレします。
- ある男の最後の結末の意味は
- 城戸(妻夫木聡)の気持ち、言いたかったこと
- 実話と思わせるリアルなあらすじ
- 窪田正孝さんが主役じゃなかった
- 弁護士の城戸(妻夫木聡)がバッドエンドだった
ある男は、2022年11月18日公開されました。
ヴェネチア国際映画祭に続いて、釜山国際映画祭のクロージング作品として上映されて、海外でも評価されています。
日本アカデミー賞優秀作品賞にも選ばれています。
原作の小説を読んだら、城戸の細かい気持ちがわかりました。
映画ある男の結末の意味をネタバレ
映画ある男の最後の結末は、城戸(妻夫木聡)がバーで初対面の男性と話しています。
城戸が男に経歴を話していますが、話している内容は正体がわかったある男(窪田正孝)の経歴でした。
なぜ、城戸はある男の経歴を自分のことのように話しているのか…
この結末の意味は、城戸は妻の香織(真木よう子)の浮気を黙認して、今のまま生きていくことを決めたことで、自分が嫌になってある男のように誰かに成りすましたかった。
映画のあらすじは、ある男X(窪田正孝)の正体を明らかにする話だと思ったら、正体を突き止めていくうちに城戸(妻夫木聡)が自分にもXと重なるところがあると共感していく話になっていきます。
どうして城戸が今のまま生きていくことを決めたかというと
城戸は、自分が在日三世ということを隠して生きています。
妻の両親も気にしなくていいと言いながら、在日の話をしていました。
映画には出てきませんが、原作の小説には城戸はヘイトスピーチに参加して、在日ということを気にしている城戸に寄り添ってくれる美鈴という女性に出会います。
香織は、城戸が在日であるということを見ないようにしています。
ヘイトスピーチに参加して、寄り添ってくれる美鈴に対して真実の愛を感じていましたが、美鈴との愛を選べば不倫になって社会的な倫理を踏み外してしまう。
香織との愛を選べば倫理的には正しいが偽りの愛を生き続けてしまう。
そこで、城戸は香織との偽りの愛を選びます。
香織が在日であるということを見ないようにしているように、城戸も香織の浮気を知りながら、見ないようにしました。
ある意味バッドエンドとも言える後味の悪い結末
映画ではそこまで描かれませんでしたから、「城戸はどうして浮気に目をつぶったのか」最後にある男Xに成りすましたのか、原作の小説を読んでないと意味がわからないですよね。
映画ある男は、里枝(安藤サクラ)と原誠(窪田正孝)、城戸(妻夫木聡)と香織(真木よう子)の2つの偽りの愛の物語です。
原誠は、名前を偽ってましたが、里枝との愛は本物でした。
城戸と香織は偽りの愛です。
原作の小説を読んだら、城戸の細かい気持ちがわかりました。
ある男のあらすじ
主人公の弁護士・城戸(妻夫木聡)は、過去に依頼者だった里枝(安藤サクラ)から亡くなった夫・大祐(窪田正孝)の身元調査を依頼されます。
里枝は離婚後、子どもを連れて故郷に戻り、出会った大祐と再婚しました。
新たに生まれた子供と幸せな家庭を築いていましたが、ある日不慮の事故で大祐が亡くなってしまう。
悲しみに暮れる中、大祐のお葬式の日、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)が訪れますが、遺影を見て「これ、大祐じゃないです」と言う。
里枝が愛したはずの夫「大祐」は、まったくの別人とわかりました。
「大祐」を名乗っていた「ある男」は、いったい誰だったのか?
どうして別人になりすまして生きていたのか?
城戸は、“ある男”の正体を追う中で様々な人物と出会い、衝撃の事実に近づいていくが、いつしか城戸の心にも他人として生きた男への複雑な思いが生まれていきます。
原作の小説を読んだら、城戸の細かい気持ちがわかりました。
ある男の正体は
大祐と名乗って里枝(安藤サクラ)と結婚していた「ある男」(窪田正孝)の正体は、殺人犯の息子の「原誠」です。
原誠の父親は、殺人の罪で死刑が執行された小林謙吉でした。
誠は両親の離婚後、児童福祉施設で過ごしていて「殺人犯の子ども」として壮絶な人生を送っていました。
殺人犯の血が流れる自分を恨み、自殺未遂をするほど苦しんでいたのです。
誠はそんな自分の醜い過去を捨てるため、「谷口大祐」(仲野太賀)と戸籍を交換し、大祐として新しい人生を歩み始めました。
誠(窪田正孝)は大祐(仲野太賀)と戸籍を交換したので、大祐としての保険証や免許証もあります。
さらに誠は本物の大祐からあらかじめ過去の話(どんな人生を送ってきたか)を聞いていたので完全になりすますことができ、妻の里枝や周りの人たちにもバレずに生活していたのです。
本物の大祐を演じるのは仲野太賀さん、キャスト発表に谷口大祐(本物)と書いてあります。
ある男の映画の宣伝では、仲野大賀さんが出ると正体がバレてしまうので、バレないようにインタビューなどにもいなかった…
本物の大祐は東北の旅館の次男でしたが後継ぎ問題で家族と揉め、「谷口大祐」を捨てるために「ある男・誠」(窪田正孝)と戸籍を交換したのでした。
数々のドラマや映画に引っ張りだこの仲野太賀さんは3枚目のイメージが強いですが、シリアスな役をどう演じるか楽しみです!
原作の小説を読んだら、城戸の細かい気持ちがわかりました。
大祐が命を落とした不慮の事故とは
大祐(を名乗る人物・窪田正孝)は、林業をしており仕事中に伐採していた木の下敷きとなって命を落としました。
危険をともなう仕事なので、大祐は生前「自分に万が一のことがあっても、絶対に実家には言わないでほしい」と里枝に伝えていました。
しかし里枝は身内の不幸を知らせないのは良くないと考え、大祐の一周忌に実家へ連絡を入れてしまいます。
そして疎遠だった大祐の兄が里枝の家に訪れ、大祐が全くの別人であったことが判明
もし大祐が死ななかったら別人だとずっとわからなかったよね
わからない方が幸せだったのかな。里枝は真相を知るのが怖いよね。
弁護士の城戸はどうやって真相にたどり着いたか
城戸は大祐が描いた絵が、死刑囚の小林謙吉の絵に似ていたことから真相にたどり着きました。
里枝からの依頼で大祐の身辺調査を始めた城戸。
そこで出会った小見浦憲男(柄本明)が実は「戸籍交換」のブローカー(仲介人)であることが判明します。
小見浦は「本物の大祐(仲野太賀)」と「ある男(窪田正孝)」が戸籍交換するのを仲介したとほのめかしていました。
城戸はこの小見浦から情報を聞き出し、大祐に成りすましていた男を探します。
調査が難航していた城戸でしたが、大祐が描いた絵と小林謙吉の絵が酷似していることに気づき、2人が親子であった真相にたどり着いたのでした。
里枝が元夫と離婚したきっかけは次男の死
【#安藤サクラ 】
映画「ある男」に
主人公の弁護士・城戸に
夫の身元調査を依頼する谷口里枝 役
で出演します。https://t.co/8FAfm8ALiB2022年ロードショーです。
芥川賞作家 #平野啓一郎 原作#石川慶 監督#ある男 pic.twitter.com/0ARXDQfKr2
— ユマニテ公式 (@humanite_inc) August 30, 2021
里枝(安藤サクラ)と前の夫との間には2人の子供がおり、次男が脳腫瘍で入院治療していました。
里枝と元夫は次男の療養について意見が割れ衝突し、次男は残念ながら2歳という幼さでこの世を去ってしまったのです。
もともと育児の協力を一切せず女を下に見るような夫だったので、里枝は次男の死をきっかけに別れることを決意。
弁護士の城戸に依頼し、長男の親権を取って離婚したのでした。
映画「ある男」まとめ
今回は映画「ある男」をまとめました。
- 大祐を名乗っていた「ある男」の正体は、殺人犯の息子だった。
- 里枝が元夫は次男の死をきっかけに離婚した。
- 大祐は仕事中、倒れた木の下敷きになって命を落とした。
- 本物の大祐を演じるのは仲野太賀。
- 弁護士の城戸は大祐の絵を見て真相にたどり着いた。
映画「ある男」はミステリー映画でありながら、「過去」や「生い立ち」、そして「幸せ」について考えさせられる感動作です。