ドラマ「エルピス~希望あるいは災い」の八頭尾山連続殺人事件は実話?モデルは足利事件で、実在する冤罪事件が参考文献になっています。実在する事件はドラマのエンディングに書かれているのをまとめます。
朝川恵那(長澤まさみ)と拓朗(眞栄田郷敦)が真相を追及していく八頭尾山連続殺人事件の犯人とされる死刑囚の冤罪疑惑
こんな事件昔、実際に前にあったような…と思いましたよね。
そこで、ドラマエルピスの連続殺人事件の疑問に答えます。
- エルピスの連続殺人事件は実話?
- 実話のモデルは足利事件
- 実話の参考文献はエンディングにある
- 足利事件とエルピスの事件の違いは
- 脚本家の渡辺あやがスゴイ!
- ドラマが企画されたのは2016年だった
- 放送が2022年になったのはなぜ?
エルピスは、長澤まさみさんの路チューの相手がまさかの鈴木亮平さんだったとか、三浦透子が冤罪の事件に関わっていたとか、徐々に事実が明らかになる展開がすごい!
長澤まさみさんは、コンフィデンスマンJPのダー子がピッタリだけど、映画「マザー」の暗い闇を持った母親役も良かった。
長澤まさみさんの役に大注目です!
エルピスの事件は実話?モデルは足利事件!実在する冤罪事件とは
ドラマ「エルピス~希望かあるいは災い」で2002年~2006年に起きた八頭尾山連続殺人事件、10代の女性を狙った連続殺人事件は実話に着想を得たモデルがあります。
エルピスの公式サイトでは、実在する複数の事件に着想を得た、冤罪という重厚な題材と書かれています。
ドラマのプロデューサーの佐野亜裕美さんのコメントには、
渡辺あやさんとこの企画に着手したのは2016年の秋のことでした。
それからさまざまな紆余曲折があり、その険しかった道のりさえも物語に取り込まれ、素晴らしい出演者の皆さんに参加していただき実現できることが、まだ夢のように感じられます。
「実在する事件に着想を得てドラマを制作することの重さ」ときちんと向き合いながら、エンターテイメントだからできることを一生懸命考えて、誠実に制作していきたいと思います。
エルピスの事件の実話モデルは足利事件
プロデューサーの佐野亜裕美さんが話していたことから、2016年以前に起きた連続殺人事件で冤罪疑惑がある事件がありました。
エルピスのモデルになったのは、足利事件です。
足利事件は、1990年に起きた栃木県足利市にあるパチンコ店の駐車場から女児が行方不明になって、翌日近くの河川敷で遺体が発見された殺人・死体遺棄事件です。
事件の翌年の1991年に被疑者が逮捕・被告人として起訴されました。
被疑者は無実を訴えてきましたが、刑事裁判で有罪(無期懲役刑)が確定して17年間服役
2009年の再鑑定で遺留物のDNA型が一致しないことが判明して、2010年に無罪になりました。
この後、足利事件は真犯人が逮捕されずに未解決事件となっていて、足利市内を流れる渡良瀬川周辺で遺体が発見された3事件は足利連続幼女誘拐殺人事件とされています。
エルピスの事件も3人殺害された連続殺人事件です
この事件捜査に関する後年の調査報道などで、マスコミ、メディアが事件捜査のあり方に注目して、調査報道の中で事件捜査初期に事件現場での真犯人目撃の情報を警察が把握していた事実や経緯も判明しています。
エルピスの参考文献
エルピスのエンディングには、冤罪事件の参考文献が載ってます。
- 菅家利和「冤罪 ある日私は犯人にされた」
- 菅家利和・佐藤博文「訊問の罪 足利事件の真実」
- 清水潔「殺人犯はここにいる隠ぺいされた北関東連続幼女誘拐事件」
- 小林篤「足利事件 冤罪を証明した一冊のこの本」
- 佐藤博文「刑事弁護の技術と倫理」
- 下野新聞社「冤罪足利事件 らせんの真実を追った」
- 佐藤真一「東電OL殺人事件」
- 「偽りの記憶 本庄保険金殺人事件の真相」
- 日本弁護士連合会「21世紀の再審 冤罪被害者の速やかな救済のために」
これらが参考文献になっています。
足利事件の他にも東電OL殺人事件や本庄保険金殺人事件からも着想を得ています。
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エルピスの事件と足利事件との違い
エルピスの事件と足利事件との違いは、
エルピスは、10代の女性の連続殺人事件
足利事件は幼女です。
10時から放送のドラマで幼女の事件は扱いにくいですね。
またドラマの犯人は、連続殺人事件を起こしているので、死刑が確定しています。
足利事件では、死刑囚ではなく、有罪(無期懲役刑)が確定して17年間服役していました。
足利事件では、多くのマスコミが事件捜査のあり方に注目していました。
ドラマでその役を担うのが斎藤(鈴木亮平)だと考えていましたが、怪しいですね。
斎藤は、拓朗(眞栄田郷敦)の新人時代に指導担当だったことが縁で、事件の真相を追う2人の相談役になりますが、
政治家にも顔が効く人物で、事件が隠ぺいされていることを知っているのでは…
浅川の相談にのりながら、どこまで知っているのか探っています。
第1話に登場した副総理が怪しいですね。
脚本家の渡辺あやがスゴイ!
Twitterでも絶賛する声が多い!
ほんと、渡辺あやは登場人物を魅力的に作り上げていく天才だな。
カーネーションも全ての登場人物が漏れなく魅力的だった。— kana (@La0jFYaZenAlpdm) November 14, 2022
エルピスの脚本家の渡辺あやさんは、今までNHKのドラマを中心に脚本を書かれていました。
名作と言われている朝ドラ「カーネーション」(尾野真千子・2011年)では、多くの賞を受賞しています。
映画のではマニアが好むもの多い
- ジョゼと虎と魚たち(妻夫木聡・2003年)
- 約三十の嘘(2004年) – 土田英生、大谷健太郎との共同脚本
- メゾン・ド・ヒミコ(オダギリジョー・2005年)
- 懲戒免職(メゾンドヒミコのDVD特典ショートムービー・オダギリジョー)
- 天然コケッコー(岡田将生・夏帆・2007年)
- ノーボーイズ,ノークライ(2009年) – 日韓合作映画
- カントリーガール(2010年)
- 合葬(柳楽優弥・瀬戸康史・2015年)
- ワンダーウォール 劇場版(2020年)
- 逆光(須藤蓮・2021年)
エルピスのあらすじ
主人公の朝川恵那(長澤まさみ)は、大洋テレビで「10年に1度の逸材」と言われて、ゴールデンタイムのニュースでサブキャスターをするアナウンサーです。
しかし、週刊誌に路上キス写真を撮られて番組を降板させられます。
誰かの陰謀かな?
華々しいゴールデンタイムから一転して、制作者の墓場と言われる深夜のバラエティー番組「フライデーボンボン」のコーナーMCを担当することになる。
恵那は、番組で出会った新米ディレクターの拓朗(眞栄田郷敦)が気になっていた連続殺人事件の死刑囚の冤罪疑惑の真相を一緒に追うようになります。
拓朗は弁護士をしている母親(筒井真理子)と豪邸で2人暮らし、父親も弁護士でしたが、幼いころに亡くなっています。
仲のいい親子に見えますが…
裕福な家庭で育って、自己評価が高く、マイペースで能天気な性格ですが、たまたま就職した大洋テレビでは怒鳴られっぱなし。
空気が読めない世間知らずな拓朗と対照的な恵那の2人ですが、実は「自分の価値」を見失っているという共通点を持っています。
そんな性格が対照的な2人が一緒に行動することで、化学反応が起きていく。
2人が事件の真相を追っていくうちに「希望」を見出しながら「災い」に立ち向かっていく社会派エンターテイメントです。