秋ドラマも続々と最終回を迎えています。実話を基にし、最終回まで感動の声が相次いだドラマ「下剋上球児」や衝撃の展開で最後まで楽しませてくれた「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」など良作が多かった秋クール。その中でも、ドラマ開始時からSNSを沸かし続け豪華ゲストやキャストのハマり具合が話題となったドラマがあります。それは、フジテレビ系で水曜日10時に放送されていた「パリピ孔明」です。今回はそんな「パリピ孔明」について、主に登場キャラクターについて触れながら振り返っていこうと思います。ドラマを見ていた方も、残念ながら見逃してしまった方にも必見の記事になっていますので、どうぞ最後までご覧になってください。尚、内容についての言及は最小限に留めているので、ネタバレを気にせず楽しむことができますよ!
「パリピ孔明」の基本情報を一挙おさらい
パリピ孔明は原作四葉タトさん、漫画小川亮さんによる大人気漫画が原作になっています。ストーリーとしては、死の間際に現代にタイムスリップしてしまった三国時代の軍師、諸葛亮孔明がひょんなことから渋谷で駆け出しのシンガーソングライターの月見英子と出会い、その才能にほれ込む…というストーリーです。かつて戦乱の世を駆け抜けた名軍師が、現代の渋谷にも違和感なく(?)溶け込み、持ち前の頭脳を活かして「計略」を練り、英子のパフォーマンスをサポートしていきます。
2022年にはアニメ化され、OPの「チキチキバンバン」が再生回数1000万回越えの大ヒット。2024年にはアニメの映画化が決定しています。余談ですが、映画化に関するCMがドラマ「パリピ孔明」の最終回の後に流れました。CMの中でアニメの孔明が「ここでCMを流せば多くの人に見ていただけるという計略」と言い、そのプロモーション能力の高さも話題になりました。
「パリピ孔明」メインキャストがはまり役!
主演の諸葛亮孔明を演じたのは向井理さん。高身長でスタイルのよいルックスによって一見コスプレに見えてしまう孔明の衣装を絶妙に着こなしていました。また、元バーテンダーという向井さんの経歴を活かした、カクテルを作るシーンはイケメンそのもの。切り抜きの動画がバズりました。その他、重厚な演技からコミカルな演技など、「向井理が演じなかった孔明を想像できない…」と思わせるほどのはまり役になりました。
そして、シンガーソングライターの英子(アーティスト名:EIKO)を演じたのは、アーティスト活動をしている上白石萌歌さん。お姉さんは上白石萌音さんです。明るい髪に天真爛漫な性格は、まさにEIKOにぴったり!作中でEIKOが歌う「Dreamer」はYOASOBIのボーカル、幾田りらさんが楽曲提供。萌歌さんの伸びやかな歌声とマッチし、ドラマ内外で話題となりました。また、ドラマ内で歌った歌のアルバムが配信されたり、FNS歌謡祭でEIKOとしてDreamerを披露したりと、多方面で活躍しました。
バーのオーナーで、英子、孔明の面倒を見る頼れる兄貴分、小林役には森山未來さんが抜擢されました。森山さんの抜擢は、向井さんの提案だったとか。私の持論になりますが、森山さんの起用がこの作品を数段格上げしたように思えます。以下、理由をご説明。
まず、森山さん自身が三国志オタクであり、三国志マニアと言う設定の小林にぴったりです。作中小林から発せられる三国志ネタに関しては、森山さん自身のアドリブも含まれているそう。中には、制作陣さえ分からない領域の話をしていることもあり、そのニッチさも三国志好きのドラマファンを唸らせました。
また、彼はギターを弾くことができ、作中ではアーティストとしてもその才能を発揮しました。最も小林が目立ったのが、第8話、オーナーの過去を掘り下げた、ドラマオリジナルのストーリーです。この回では、世界的シンガー、マリア・ディーゼル(演じたのは人気バンド『女王蜂』のボーカルアヴちゃんです)との過去が明らかになりました。その中で、マリアと小林がセッションをするシーンにて、小林がギター、マリアが歌を披露。森山さんとアヴちゃんは2022公開の映画「犬王」で二人の主人公を演じ、その相性の良さでこの映画は大ヒットしました。加えて、森山さんの出世作「モテキ」のメインテーマは当時無名の女王蜂であり、何かと縁が深い二人。そのため第8話は「犬王再び!」「この2人推せる!」とSNSではキャスティングを絶賛する声であふれかえりました。第8話は、演出も美しく、演者を際立たせようとする気概が伝わってきます。未視聴の方、是非一度見てみてください。
その他、孔明のかつての君主である劉備はディーンフジオカさんが演じました。ディーンさんは香港での活動経験もあり、中国語が堪能。劉備の回想シーンのみに出演しましたが、吹き替え無の流暢な中国語や、麗しい雰囲気で存在感のあるキャラクターでした。しかし、残念だったのは、アーティストとして活動するディーンさんの歌唱シーンがなかったこと(笑)それだけ、他のゲストアーティストが手厚かったということでしょう。
このように、レギュラーキャストのハマり具合が著しかったこのドラマ。しかし、これだけでは終わりません。次の章では、名だたるアーティストが登場したゲストについて抜粋して紹介していきます。
「パリピ孔明」ゲストキャストをご紹介!
まず紹介したいのは、第1話から登場したストイックなアーティスト、ミア西表。その独特な雰囲気を見事に演じたのはアーティストとしても活動している菅原小春さんです。菅原さんはドラマ中で、英子の代わりに「Dreamer」を披露し、その力強い歌声も称賛が集まりました。各種サブスク配信されているので是非見てください。
続いて、第3話から登場した気弱なラッパー、KABE太人。彼を演じたのは元アイドルの若手俳優、宮世琉弥さんです。孔明とのラップバトルのシーンでは未経験のラップを見事に演じました。後半では物語の展開を左右する重要な役であり、彼の演技力の高さを実感できるドラマでもありましたね。
その他、デビュー寸前のロックバンドのボーカル役にミュージカル俳優の森崎ウィンさん、KABEと敵対するラッパー赤兎馬カンフー役にELLYさん、謎に包まれた女性アイドルグループのベースボーカル役に若手注目女優の八木莉可子さん。最終章で登場した伝説のバンド「イーストサウス」のメンバー役に、石崎ひゅーいさん、バンド「ゲスの極み乙女」の休日課長さんが登場しました。それぞれのアーティスト、俳優がそれぞれの分野で能力を発揮し、作品の質を上げていく、ドラマにおいてはこの上ない相乗効果。一度聴いたら忘れられない劇中歌も良かったですよね。
最後に、「ちょい役」として出たアーティストをざっと紹介します。不動産屋役にバンド「マキシマムザホルモン」のナオさん、客役に「水曜日のカンパネラ」の詩羽さん、業界人役でDJKOOさんが登場し、その他、幾田りらさん、ピアニストのハラミちゃんなどが出演しました。モブキャラにも目が離せない豪華なドラマとなっています!
最後に
ドラマのビジュアルポスターの段階からセンスの良さを感じていましたが、撮影方法や演出に至るまで随所に工夫が凝らされていた「パリピ孔明」。やはり、最大の成功の要因はキャスティングにあると思います。適材適所に演者が集まり、一つの作品を一丸となって創りあげていったような印象を受けます。続編も十分可能なストーリーで、評判的にも可能です。再び孔明が渋谷に降臨することを期待しましょう。
今回の記事は以上になります。ここまでご覧いただき、ありがとうございました!