はじめに
フジテレビ系月曜9時ドラマ「海のはじまり」。それは、突然、6歳の娘の存在を知らされたひとりの青年が、父親としての戸惑いと向き合いながら、愛を知っていく物語。
主人公・月岡夏（目黒蓮）は、建築デザイナーとして仕事に情熱を燃やす、ごく普通の青年だった。最愛の恋人・弥生（有村架純）との未来も視野に入れ、順風満帆な日々を送っていた矢先、彼の人生は大きく狂わされる。大学時代の元恋人・水季（古川琴音）の訃報、そして、葬儀場で対面した無邪気な少女・海（泉谷星奈）。参列者から告げられた衝撃の事実に、夏は言葉を失う。6歳になるまで、娘の存在を知らされていなかったのだ。水季はなぜ、一人で娘を育てようとしたのか？ そして、なぜ夏に真実を告げなかったのか？動揺する夏とは対照的に、海は父親の出現に戸惑いながらも、純粋な心で彼に近づこうとする。娘の無垢な笑顔に触れるたび、夏は父親としての自覚と、水季への複雑な想いに揺れ動く。こちらも合わせてご確認ください。
Snow Man目黒蓮、初の父親役に本格挑戦
Snow Manのメンバーとして活躍する目黒蓮は、本作で初の父親役に挑戦。アイドルとしての自分を封じ込め、戸惑いながらも娘に愛情を注ごうとする不器用な父親を、繊細な演技で表現している。
特に印象的なのは、水季との思い出の場所を訪れるシーンの数々。夏の脳裏に蘇る、水季との楽しかった日々、そして、彼女の死を受け入れられずにいる自分自身の姿。過去と現在、喜びと悲しみが交錯する中で、目黒は、静かな表情の中に、夏の心の機微を雄弁に物語っている。
「海のはじまり」 そのタイトルの意味とは？
このドラマのタイトルには、単なる言葉の響き以上の、深く大きな意味が込められている。
まず、文字通り、「海」は物語の重要な舞台となっています。広大な海は、登場人物たちの心の動きとシンクロするように、その表情を変えている。穏やかな凪いだ海、荒々しく波打つ海、夕日に染まる美しい海…。まるで、登場人物たちの感情を代弁するかのような、海の雄大で繊細な表情は、ドラマに深みを与え、視聴者の心を揺さぶるだろう。
そして、「はじまり」という言葉。これは、主人公・夏が、娘・海との出会いを通して、父親としての人生を「はじめる」物語であると同時に、水季の死という悲しい過去を乗り越え、新たな家族のカタチを「はじめる」物語でもあります。さらに、それぞれの登場人物が、愛や絆、そして自分自身と向き合い、新たな一歩を「はじめる」物語でもあると言えるのではないだろうか。
「海」という言葉自体が持つ、象徴的な意味も見逃せません。広大で未知なる可能性を秘めた「海」は、まさに、これから先の人生を歩んでいく、夏と海の未来を象徴しているのかもしれません。水季の死という悲しい過去を乗り越え、新たな家族のカタチを模索していく夏と海。彼らの未来には、どんな希望が待っているのか。
「海のはじまり」というタイトルには、そんな、未来へ向かう希望を感じさせる、優しくも力強い響きがあるように感じられる。
緻密なストーリー展開から目が離せない！
ドラマの魅力は、目黒蓮の熱演や豪華俳優陣の共演だけにとどまらない。「海のはじまり」は、映像美、音楽、そして緻密に計算されたストーリー展開が見事に調和し、視聴者を物語の世界へと深く引き込む。
夏の心情が揺れ動くシーンでは、広大な海の風景が効果的に用いられる。穏やかに凪いだ海、荒々しく波打つ海、夕日に染まる美しい海…。まるで、夏の心の内面を映し出すかのように、海の表情が変化していく様子は必見だ。
さらに、劇中では、ピアノの旋律を中心とした、繊細で美しい音楽が、ドラマの世界観を彩っている。波の音や、風の音など、自然の音と調和した音楽も印象的で、視聴者を物語の世界へと優しく誘う。
そして、忘れてはならないのが、回を追うごとに明らかになっていく、水季の死の真相と、彼女が夏に娘の存在を告げなかった理由。なぜ水季は一人で娘を産み、育てようとしたのか？ 彼女の真意を知る手がかりとなるのは、生前に残した「海の近くで育てて」という言葉だけ。水季の隠された過去、そして登場人物たちの複雑に絡み合う想い。散りばめられた伏線が回収され、物語が大きく動き出す時、視聴者は予想外の展開に息を呑むだろう。
現代社会における家族のあり方を問う
「海のはじまり」は、感動的なストーリー展開だけでなく、現代社会が抱える問題や、普遍的なテーマを、繊細なタッチで描き出している点も見逃せない。
従来の「父親」「母親」「子ども」という固定概念にとらわれず、血の繋がりだけが家族の全てではないことを、登場人物たちの葛藤や成長を通して教えてくれる。
例えば、血の繋がりがなくても、海を我が子のように愛そうとする弥生の姿。孫娘の幸せを願い、夏を支えようとする朱音の深い愛情。水季の死後も、海を陰ながら見守り続ける晴明の優しさ。
彼らは、「家族」という枠にとらわれず、それぞれのかたちで海との絆を育んでいく。
ドラマは、そんな彼らの姿を通して、現代社会における新しい家族のあり方、そして、人と人との温かい繋がりの大切さを、優しく、そして力強く問いかけてくる。
「海のはじまり」：愛と家族の物語
「海のはじまり」は、単なるホームドラマの枠を超え、現代社会における家族のあり方、そして、普遍的な愛のカタチを問いかける、深みのある作品となっているのだ。
水季の死という悲しい過去を乗り越え、新たな家族のカタチを模索していく夏と海。彼らの未来には、どんな希望が待っているのか？ そして、水季が残した「海の近くで育てて」という言葉に込められた真意とは？
「海のはじまり」は、毎週月曜9時、フジテレビ系で放送中。見逃し配信はTVer、FODなどで視聴できる。
涙と感動のヒューマンドラマを、ぜひ、あなた自身の目で確かめてほしい。
